穂高岳山荘の地の利
穂高岳山荘は風に恵まれている。
涸沢岳(3110m)と奥穂高岳(3190m)の鞍部、通称白出(しらだし)のコル(2996m)にあり、風
は白出沢の傾斜面(上部で約30 度)に沿って吹き上げ、次第に絞られて強い西風となる。
90%西からと一定した風向で、山荘の営業期間の5 月〜10 月までの平均風速が7m/sと日
本では滅多にない強風地帯である。
但し、空気密度は低く平地の70%くらい、風は沢から約30 度の角度で吹き上げ、地表
の岩にぶつかり合いきわめて乱流となって通り抜ける。
このあばれ馬のような風をうまく利用しようと何年も研究してきた。
現在はほぼうまくいっているように思える。
穂高岳山荘は太陽光に恵まれている。
日本で最も日照時間が多いといわれる松本市と山荘での日射量を測定したデータを比較
すると、一日の日射量の最大値は、8 月で25%、9 月で8%穂高の方が高かった。
一日の累計では両方ともほとんど同じであった。
太陽電池の特性として、温度が高くなると発電効率が落ちるという点からも、穂高は夏
の最高気温が18 度程度と低く、太陽光発電に最適の場所と言える。
穂高岳山荘は石に恵まれている。
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山小屋を建てる土地造成の際に出てきた石を、テーブル用・椅子用・石積み用・
敷石用と分けて、どれにも使えない石も
土砂と一緒に防風壁の内側の埋め立てに
使い、無用の石はなかった。
石ばかりで出来た山荘の庭は、人気のス
ポットである。
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穂高の自然とエネルギー |
自然エネルギーによる発電 |
風車「太郎」「次郎」「宙太」「風子」 |
風車「太郎」のブレード |
風車「太郎」の風速15m/sにおけるローター径、ブレード枚数と発電量の関係 |
穂高岳山荘の地の利 |
大活躍するさくら(ディーゼル発電機) |
ステンレスタンクは巨大な太陽熱温水器 |
穂高岳山荘の湯沸しシステム |
電気系統図
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