はじめに
穂高岳山荘が自然エネルギーを必要と感じたのは、山荘の立地条件にある。
稜線上にあり、敷地が狭く、エンジンルームを離れた所に作ることが出来ず、棟続きの一部にしか置く事が出来なかった。
騒音の問題で小さなエンジンしか置けず、消灯後、又日中静かであるべき時間帯はエンジンを回せないという事情があり、
音を出さない電気の必要性があった。
昭和52年から始めた風車発電も、音の問題と強すぎる風による故障の続出により、徐々に太陽電池に移行した。
平成6年、太陽電池システムの完成に伴い、風車はほとんど運用せず、シンボル的な存在になっていた。ところが、
平成15年の夏山シーズン中、梅雨が明けず、そのため太陽電池がほとんど働かず、毎日風速15m/s以上の風が吹き続いていた。
そこで、今まで長年にわたり風車に携わってきたノウハウをフルに使って、「騒音を出さない、故障をしない風車」の開発に取り組んだ。
平成20年 春 今田 英雄
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